【コラム】遺産の評価の基準時(遺産分割)
遺産の評価の時点
遺産分割の際に資産はいつの時点を基準に評価するべきでしょうか?
つまり、土地や建物などの不動産は価格が変動します。土地は経済情勢などで値段が上下しますし、建物は基本的に経年とともに価格が下がっていきます。また、株式などの有価証券も同様に価格の変動があります。それゆえ、相続発生から遺産分割までに時間が経っているとその間に不動産や株式などの価値が大きく変わっていることもあります。そのような場合、どの時点を基準に評価するかで、かなり結論に影響が出る可能性があります。
これについては、原則は、遺産分割時点の価値で評価することになっています。
これは、公平を保つためにそのように解されています。考えてみれば、実際に遺産を承継した人が処分できるのは分割後なのですから、長い期間が経っているのに相続発生時の価値で評価されると公正が保てないですよね。それゆえ、実務では遺産分割時点の価値で評価するのを原則としています。
評価の方法
では、遺産分割時を基準として、具体的にどのように価値を判断するのでしょうか? 不動産については、交渉や調停で合意に至る場合は、路線価や、市場価格、などいくつかの評価方法がありますが、評価方法について合意を形成できなければ、家庭裁判所で鑑定を行い、それに基づいて判断がされることになります。未公開株式など、他の争いになる資産についても同様です。鑑定には費用が掛かり、その負担は基本的には鑑定を申し立てた人がすることになっていますが、相続人の合意の上で遺産から出すこともあります。
いずれのせよ、鑑定には費用が掛かるので、遺産分割の方法に合意ができなくても遺産の評価方法については合意して、それを前提に調停や審判を進めてもらうという場合もあります。
弁護士にご相談を
遺産の評価は簡単なようで実は難しい問題です。遺産分割が意外な結果になって慌てないように、弁護士にご相談いただければ、と思います。弁護士にご相談いただければ、遺産の評価の問題はもちろん、遺産分割に関する問題全般についてご回答させて頂きます。また、代理人として交渉したり、調停や審判の期日に出席することも可能です。
当事務所では、相続に関するご相談は1時間まで無料です。お電話または電子メールでご予約の上、当事務所までご来訪頂ければ、と思います。