【コラム】相続の期限?

相続に期限があるのでしょうか?

実のところ、遺産分割に関しては、いつまでにやらないといけないという法律上の期限はありません。それゆえ、例えば、被相続人が亡くなって10年、20年たってから遺産分割の調停を申し立てることもかのうです。(もっとも、相続人の一人が申し立てをすればそれにより調停は始まるので、自分は10年、20年先でも良いと思っていても必ずそれまで待てるというわけではないです)

 

では、相続に関して一切期限を意識しないで良いのでしょうか?

実は、手続きの種類によっては期限があります。

おもなものとしては、

1、相続税の納付は被相続人の死亡から10か月以内。

2、相続放棄や限定承認をする場合は、被相続人の死亡から3か月以内。

3、遺留分減殺請求ができるのは被相続人の死亡と自分の遺留分が侵害された事実を知ってから1年以内(時効)、かつ、被相続人の死亡から10年以内(除斥期間)

となっています。1については、遺産分割が終わっていなくても上記期間内に納税をすることが必要です。小規模宅地特例などの要件を満たすかどうかが未確定の場合には税務署に届けを出して一定期間内に解決することで適用されればそれによる減税分は還付を受けることができますが、とりあえず期間内に納税しないといけません。(また、小規模宅地特例の適用を受けるための延長期間は原則3年です。その後の延長は税務署の承認が必要でその後の更正請求の期間にも制限があります) 税に関しては弁護士は専門ではないので、税理士にご相談ください。

2については、3か月を過ぎていなくても単純承認にあたる行為(遺産の処分など)をしてしまうと相続放棄・限定承認ができなくなるので注意が必要です。一方、資産がない場合において、死亡を知ってから3か月を経過していても、これまで知りえなかった債務が発覚した場合(例えば突然被相続人名義の借り入れについて金融会社から連絡が来た場合など)には放棄できる可能性があります。ただ、その場合でもその時点から3か月以内に行わないといけません。

3については、遺留分減殺請求の時効は短いので、遺留分減殺請求を考えている方は速やかに弁護士にご相談ください。

以上のように、遺産分割そのものには期限はありませんが、手続きの種類によっては注意が必要なのと、特に1は遺産分割ともかかわるので遺産額が多くて小規模宅地特例適用による減税効果を得たいと思っている方は注意が必要です。

また、一般的に遺産分割を先延ばしにすれば、その間に二次相続が起きるなどして、相続人の数が増えてしまい、話がまとまりにくくなる、分割までは不動産など大半の資産が共有になり賃貸や処分に制約がある、など経済的な面でもあまり望ましいとは言えません。可能であれば、遺産分割は早めに進めたほうが良いでしょう。

 

 

法律相談のご予約

042-512-8774

電話受付時間 平日・日曜10時~19時/日曜は電話受付休止の場合もあります

メールは24時間受付

何度でも相談無料のテーマ

  • 債務整理・過払い金
  • 交通事故

初回1時間相談無料のテーマ

  • 相続・遺言
  • 大家さん向け相談
  • 立退料請求
  • 労働問題

初回30分相談無料のテーマ

  • 債権回収

上記6テーマ以外は、原則として
30分5000円と消費税の
相談料が発生します。
ただ、そのまま案件をご依頼の場合は当日の相談料は無料となります。

所長・弁護士山中 靖広

ページトップへ