【コラム】遺言を書く文化
かつては、日本人は遺言を書かない傾向があると言われました。
戦前の民法では長子相続でしたし、戦後も長らく、意識としては、「長男が家を継ぐ」という考え方が残っていたため、あまり争いが起きなかったためだと思われます。
しかし、今は、兄弟姉妹間の平等意識が高まり、それぞれが権利を主張するケースが増えてきたため、遺言がないと揉めるケースも増えてきたようです。
そういった情勢がよく知られるようになってきたためか、最近は遺言を書かれる方が増えてきています。
例えば、「日本公証人連合会」のサイトによると、平成17年に公正証書遺言を作成した方は約7万人だったのに対し、平成26年には、約10万4000人に増えています。しかも、この間、平成23年に少しだけ減ったほかは、一貫して増え続けています。
そういう意味では、遺言を書く文化が日本にも定着してきた、といえるでしょう。