【コラム】新型コロナに伴う緊急事態宣言との関連

緊急事態宣言に対する当事務所の対応

新型コロナの関係で、2020年4月7日に東京、埼玉、などいくつかの都府県に緊急事態宣言が出されました。

これを受けた対応ですが、当事務所としては、徹底的な感染防止措置をとったうえで、営業を継続することとなりました。

ただ、混雑を避けるために、ご依頼後の打ち合わせを電話やメール中心にするなど、ご来訪回数の削減をお願いしています。

2020年4月12日現在、通常通り営業しております。
・立川では相談ブースを2個つなげて、弁護士とご相談者様の間で約2.4m空けることができるようになりました。(おもに使う相談スペースの場合)
・換気のために窓は営業時間中常に開放しています。寒い場合がありますので、温かい服装でのご来訪をお願いします。
・弁護士や事務員は原則としてマスクをして対応させて頂きます。
・お客様におかれましては、できるだけマスクを着用の上ご来訪をお願いします。
・弁護士、事務員は手洗いを励行し、また、室内のアルコール消毒も定期的に行なっています。
以上のように、安全のための措置をとったうえで、営業しています。

この状況下でも相談を急ぐべき類型のもの

 たしかに相続は高齢のご相談者様も多く、現在の状況下では、感染症が不安な場合は、今すぐではなく、状況が改善してから相談するほうが望ましい場合もあります。しかし、手続きに期限がある関係でそれまで待つことができないケースもあります。

・相続放棄は、相続があったことを知ってから3か月以内に申し立てないといけません。基本的には、被相続人が亡くなったことを知って3か月以内と考えられます。しかも、遺産の一部を処分するなどしてしまうと単純承認とみなされて相続放棄ができなくなってしまいます。したがって、相続放棄を考えているときは、うっかり承認してしまわないためにも、また、期限内に家庭裁判所で申述手続きをしないといけないという制限からも、すぐに弁護士に相談する必要性が高いです。したがって、相続放棄を考えている方は、至急ご相談ください。

・遺留分減殺請求(改正法では遺留分侵害額請求)は相続及び遺留分が侵害されたことを知ってから1年という時効と、相続から10年以内という除斥期間があり、いずれか早い方が過ぎてしまうと請求できなくなってしまいます。ほとんどのケースでは、前者の1年の時効が先にきます。これについても、時効や除斥期間になってしまうと遺留分を請求できなくなってしまうので、請求を考えておられる方は、至急、ご相談ください。

・遺言作成は期限はありませんが、認知症などで遺言能力を失うと書けなくなってしまいます。そういう意味では急いだほうが良い手続きではあります。ただ、1か月や2か月を急がないといけないケースはそこまで多くないかもしれません。

・遺産分割調停や審判を申し立てられた場合も、対応する必要があるので、急ぎご相談いただく方が良いと思います。

・不当利息返還請求など、訴訟をされた場合、も、期日が決まっていること、また、訴訟は法的論点があるのが通常なので専門家が対応することが望ましいこと、から、早めに相談いただくことがお勧めです。

上記以外の場合でも気を付けるべきこと

 一方で、現在のような状況では、急いで相談しなくても良い場合もあります。一般論ではありますが、例えば、こちらから遺産分割の交渉や調停を始める場合は、基本的に期限はないので、新型コロナの問題が落ち着いてからご相談という考え方もありだと思います。あるいは、親族による遺産の使い込みに対する訴訟も、こちらから起こす場合は今すぐやらなくても良い場合が多いです。

 ただし、その場合でも気を付けないといけないことはあります。それは、時効の問題です。つまり、不当利得返還請求は改正前の法律ができようされるケースで10年、改正法だと主観的起算点が加わり権利行使ができることを知ってから5年(知らなくても10年)という時効があるため、時効が迫っているかもしれない、というばあいは、至急ご相談いただく必要があります。

 また、遺産の中に債権がある場合には、その時効に気を付けないといけません。例えば、被相続人(故人)が第三者にお金を貸していた場合、その債権は相続されますが、時効は進行します。その場合、時効の起算点はもともとの債権の起算点であり、相続でリセットされるわけではないので、注意が必要です。つまり、例えば、改正前の法適用の債権で時効が10年のケースで、被相続人が死亡した日がちょうど9年たったときだとすると、それから1年で時効中断を行わないと、消滅時効が完成して、請求できなくなってしまいます。例えば、被相続人が消費者金融やカード会社と取引して発生した過払い金も同様です。

 

まとめ

 一般的な状況では、法律相談は早めにしていただいた方が良いです。もちろん、現在でも、原則は変わりません。新型コロナ緊急事態だからといって時効が止まるわけではないし、民法の定める各種期限が伸びるわけではないからです。しかし、一方で、特に高齢の方の場合は感染するとリスクが高いし、それ以外の方でも不安に感じるのは当然です。最近は、兄弟姉妹からの相続ということでご高齢の方からご相談いただくことも珍しくないですし、遺言を書きたいという高齢の方からご相談を受けたこともあります。普段でしたら、ぜひご相談に来ていただきたいのですが、今の状況だと、ご高齢の方や、基礎疾患を抱える方は、移動途中での感染防止に不安があるのであれば、時効やその他期限のある手続きの場合以外は、コロナ問題が収束してから来られるという選択もあると思います。ただ、その間法律の専門家のアドバイスを受けられないことにより思わぬ不利益が発生するリスクについては何とも言えないので、今の時点で相談に来らえるか後にするかはリスクの判断ということになると思います。

 当事務所では、新型コロナ問題に関して、窓を開けての換気、相談スペースを広くとり社会的距離を空けられるようにしたこと、事務員への手洗いの奨励、などできる限りの対策をとっています。

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所長・弁護士山中 靖広

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