【コラム】遺産分割調停にかかる期間について
遺産分割調停というと、時間がかかるというイメージが強いと思います。
たしかに、全員が合意しないと成立しないわけですから、時間がかかるようにも思えます。
では、実際、どれくらいかかるのでしょうか?
平成24年の統計だと、調停、審判を通して、平均期間は、1年弱となっています。
ただ、これは、あくまで平均なので、さらに長くかかるケースもあれば、短い期間で終わる場合もあります。
一般的に考えれば、相続人の数が多ければ長引きやすいでしょうし、寄与分や特別受益などの争点がある場合などにも長引く傾向はあると思います。また、不動産が複数あると、だれがどの不動産を相続するか、で協議が難航している間に時間が経つ、ということも考えられます。
ただ、事前には複雑な案間で時間がかかりそうだと思っていたものが、実際に申し立ててみると、案外、すんなりと決着がつくこともあれば、逆に、すぐ終わると思って始めたものが、数年かかるケースもあります。(とはいえ、依然と比べると平均的にみて期間は短縮されていると感じます。少なくとも、2年以上かかるケースは私が知る限りでは珍しいです)
従って、遺産分割調停を申し立てた場合にかかる期間については、ある程度傾向はあっても、個別の案件については、実際にやってみないと、なかなか予測が難しいのも事実です。以前は遠方の場合でも毎回いかないといけなかったので回数を重ねると移動費や時間の負担も重く感じましたが、最近は遠方だと電話での調停が認められることが多いため、長引いてもそこまでの負担感はなくなりました。
また、昔と比べると、長引いた場合には裁判所の判断で調停を早目に打ち切って審判に持っていく傾向があるようです。