【コラム】調停でもまとまらない場合
遺産分割についての調停がまとまらない場合は、自動的に審判に移行します。
家事事件審判法に、別表第二事件として、調停が(合意に至らずに)終了した場合は、審判の申立てがあったものとみなす旨、規定されているからです。
この場合、調停が行われてきた家庭裁判所で審判も行われるという扱いが一般的です。
審判は、調停とは異なり、裁判所が遺産分割について決定するための手続きです。
もっとも、審判の中でも話し合いが行われることもありますが、まとまらなければ、裁判所が法律に基づいて決定します。
審判では、事実関係に法律を適用して分割がなされるのであり(そういう意味では、民事裁判と類似しています)、それゆえ、各当事者は、主張、立証をしっかりとする必要があります。
なお、寄与分を主張したい場合は、必ず、寄与分を定める審判の申立てをしないといけません。これをしないと寄与分を考慮してもらえません。
審判の決定は(即時抗告で変更されない限り)法的な強制力があります。
当事者は、仮に不満があっても、確定した場合は、従わざるを得ません。
なぜなら、審判に基づいて強制執行が可能だからです。
このように、審判により解決は、必ずしも当事者の移行に沿うとは限らず、かつ、最終的なものなので、審判や、それにつながる調停を申し立てる際には、予想される結果を充分検討してから行なうほうが良いと思います。