取調べを受ける前に、弁護士に相談を!
何らかの事件に巻き込まれて警察や検察から話を聞きたいといわれたら誰だってびっくりすると思います。もっとも、まだ逮捕されていないのだから弁護士に相談する必要はない、と思うかもしれません。でも、警察や検察に疑われた時点ですぐに弁護士に相談すべきです。
警察官・検察官からの取り調べを受けると、話したことは調書にまとめられ、最後に署名押印を求められることがあります。署名、押印は義務ではないのですが、もし、署名、押印すると、調書は一定の条件の下、証拠となります。もっとも調書の内容について、制度上は、刑事裁判の公判で争うことはできますが、しかし、争えるということと裁判官に信じてもらえるということは別です。捜査段階で調書にされたことは信用できるとされて公判で争っても捜査段階での調書の内容が事実と認定される傾向が強いです。だから、捜査段階での自白は覆しにくいといわれるのですが、逆に言えば、捜査段階で自分の知っていること(事実)以外は認めないことが重要です。また、調書の内容が正しい部分と間違っている部分があれば、間違っている部分の訂正を求め、訂正されたことを確認してから署名、押印するという方法もあります。
しかし、警察など捜査側の圧力に対して自分一人で戦うことは容易ではありません。だからこそ、弁護士が必要なのです。
もし、だれも見方がいない状態で取り調べを受けると、早く取り調べを終わってほしい一心で安易に警察の言うことを認めてしまったり、身に覚えがないことが書かれた調書に署名、押印してしまうリスクがあります。でも、それは本当に重大な結果につながりかねないことです。その点、弁護士に相談し、どのような権利があるのか、弁護士から説明を受けたうえで取り調べに臨むことで、リスクを著しく減らすことができます。
さらに、逮捕された場合は、自由に逃れることができない状況で警察官・検察官から取り調べを受けることとなります。もちろん、黙秘権がありますが、精神的な重圧は相当なものです。しかも、場合によっては10日以上もの間刑事施設に留置されている中で、何を話して何を話すべきではないのかの判断をすることは必ずしも容易ではありません。だからこそ、早い段階で弁護人を選任し、短い間隔で接見に来てもらい、取り調べの状況について弁護士と打ち合わせつつ対応することが重要になります。
在宅事件でも身柄事件でも速やかに弁護士に相談し、取り調べの前に弁護士と打ち合わせをすることは、身に覚えのない被疑事実で有罪とされないために極めて重要なことなのです。