遺言書の作成について

遺言書作成の必要性

 遺言書の作成は、自身の希望通りの相続を実現するという他に、相続人が複数いる場合に遺産分割を巡って揉めることを防ぐという意味でも重要な役割を果たすことができます。

 遺言書を残しておかなければ、相続人間で協議して遺産分割を決めることになりますので、ご自身の遺志が尊重されるとは限りません。また、遺産分割を巡って揉めてしまうケースは多く、その場合には、兄弟姉妹など親族どうしで時には長期間揉めることになり、負担になるばかりか、兄弟姉妹の関係を壊してしまうことにもなりかねません。そういった事態をあらかじめ防ぐことができるのが遺言書なのです。

遺言作成における弁護士の役割

遺言は、法的には誰でも自分で書くことができます。もっとも、遺言能力がある状況で書く必要がありますが、これは、認知症などで遺言書を書く能力がなくなっている場合以外は書けるという意味ですので、通常の状態であればだれでも書けます。また、遺言を書くメリットについては、さまざまなところで話題になっており、遺言に対する関心は高まってきていると思います。しかし、一方で、多くの人は遺言書をどのように書いてよいかわからないと思います。

形式面はもちろん、内容についても、自分で書こうとすると案外難しいことにお気づきになると思います。どのような書き方をすれば、自宅や、田畑や、事業を、それぞれ意中の子に残せるか、後で遺留分を主張されて相続人どうしで揉めないか、預貯金はどのように分ければいいのか、遺言書を書いた後に遺産の構成が変わったらどうすればよいのか、など、考え出すと、なかなかややこしい問題があると思います。

そこで、あなたのためにサポートをしてくれる専門家、すなわち弁護士が必要になってくるわけです。

弁護士は、ご依頼者様の立場に立って、どのような遺言がご依頼者様の遺志を実現するのに望ましいかを検討します。遺言書の作成は、司法書士や行政書士に依頼することも可能ですが、弁護士に依頼するメリットとしては、やはり法律の専門家として、法的な問題に対応できるという点です。

たとえば、どういった文言を入れるべきなのかや、これから生じうる相続のトラブルを視野に入れ、トラブルを防ぐことができるよう対策することもできます。事業をしておられる場合や、家族関係が複雑な場合でも、法律のプロである弁護士は、良く考えて、適切な助言をすることができますので、ご安心ください。案件によっては遺言執行者も含めてご依頼いただければ、なおご安心いただけます。遺言執行者を定めておけば、実際の遺産分割作業が円滑に進むことが期待できます。

ただし、遺言執行者は、特定の相続人のために依頼を受けることができません。それゆえ、遺言作成について依頼した弁護士に、相続人がまた関連する依頼をする可能性がある場合は、敢えて弁護士を執行者にしないということも考えられます。詳しくは、ご相談ください。

遺言を作成する上で重要なことは、子や孫たちに、どのように暮らしてほしいか、という思いです。子のうちのAには家を受け継いでほしい、Bには事業を渡したい、Cにはこれまで負担をかけたからお金を残したい、など、それぞれ思いがあると思います。中には、あの子にはあまり資産を残したくない、というような場合もあるかもしれません。そのような希望をかなえることができるのが、遺言書を書くメリットです。

いずれの場合も、大まかな希望と、お持ちの資産についてのお話を聞かせて頂ければ、法律的にはどのようにするのがご相談者様の意思に沿うことになるのか、考えて、お伝えすることができると思います。

さらには、公正証書遺言を書くに当たっての公証役場とのやり取りも弁護士が代理人として行なうことができます。また、公証役場での立会人を用意することもできます。

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